給湯器の温度が安定しない!「寿命」や「号数」は関係ある?どんな修理をいくらで行う?
「家で使うお湯(シャワーなど)の温度が安定しない!」と、お悩みではありませんか?
給湯器の温度が安定しない場合には、大きく分けて3つのパターンがあります。
- 不具合ではないケース
- 給湯器「以外に」不具合があるケース
- 給湯器「に」不具合があるケース
どのパターンに当てはまるのかをなるべく早く突き止めて、対処したいところです。
給湯器の温度が安定しないことにお困りの方からは、「給湯器の寿命が関係あるのでは?」「給湯器の号数が関係あるのでは?」といった疑問がよく聞かれるため、今回の記事では、これらの疑問にしっかり応えていきます。
また、給湯器の故障が原因で、お湯の温度が安定しないケースにおいて、「業者に依頼するとどんなことを行ってもらえるのか」「どれくらいの費用がかかるのか」といった疑問にも、お答えしていきます。
給湯器の温度が安定しない原因とは?
給湯器の温度が安定しないことには、様々な原因が考えられます。
1番多いのは、給湯器内部の部品の経年劣化です。
温度を感知するセンサーの一種である「サーミスタ」や、「基板」の経年劣化が進むと、燃焼が不安定になる(=温度が安定しなくなる)ことがあります。
他には、以下のような原因が考えられます。
- ガス栓や給水元栓が「半開き」になっている
- 複数の場所で同時にお湯を使っている
- 混合栓が故障している
<POINT>「冷水サンドイッチ現象」は給湯器の異常ではない
キッチンで洗い物をしている時などに、お湯を1度止めて再び出すと、一瞬冷たい水が出ることがあります。
これは「冷水サンドイッチ現象」といって、給湯器の構造上よく発生する現象であり、給湯器の異常ではありません。
温度が安定するまで、お湯をしばらく流してから使用してください。
なお「冷水サンドイッチ現象」は、機能が進化している最近の給湯器では、徐々に見られなくなっています。
給湯器の温度が安定しないことと、「給湯器の寿命」は関係ある?
給湯器の温度が安定しないことと、「給湯器の寿命」は関係あります。
給湯器の耐用年数は約10年といわれており、これを過ぎると様々な不具合が起こりやすくなります。
なお、寿命が近づいた給湯器は、お湯の温度が安定しないだけでなく、リモコンで設定した温度のお湯が出ないこともあります。
設定した温度より低いお湯が出ることはともかくとして、設定した温度より高い熱湯が出てくるおそれもあり、これは非常に危険です。
「何か不具合が起きている給湯器を、そのまま使い続けることはしない」ことが、何よりも大切です。
給湯器の温度が安定しないことと、「給湯器の号数」は関係ある?
給湯器の温度が安定しないことと、「給湯器の号数」は関係ありません。
給湯器の号数とは、「1分間に水温を25℃上昇させて出せるお湯の量(L)を表す数値」のことで、号数が大きいほど、1度に大量のお湯を使用することができます。
なお、
- 単身世帯であれば16号
- 2~3人家族であれば20号
- 4人以上の家族であれば24号
上記を目安として、給湯器の号数を選ぶことをオススメします。
例えば20号の給湯器は、「キッチンとシャワーの同時使用(2箇所)が快適にできる」、ただし「キッチンとシャワーと洗面所の同時使用(3箇所)は快適にできない、シャワーの勢いが弱くなったりする」というイメージです。
いずれにしても、どの号数の給湯器が壊れやすいということはないので、安心してください。
業者に依頼する前に、自分で試してみるとよいこと
- 給湯器の不具合かどうかの確認
- 水栓が全開になっているかどうかの確認
- 循環フィルターが目詰まりを起こしていないかの確認
- ガスメーターが遮断していないかどうかの確認
- リモコンに表示されたエラー番号を控えておく
- 1度給湯器の電源を切って、もう1度入れてみる
- 給湯器の年数を調べておく
お湯の温度が安定しない給湯器の修理・交換を業者に依頼する前に、自分で確認できることがいくつかあります。
できる範囲で、実行してみましょう。
【1】給湯器の不具合かどうかの確認
給湯温度が安定しない場合、「お風呂のシャワーだけが安定しないのか?」「キッチンや洗面所のお湯も安定しないのか?」を確認しておくとよいです。
例えばシャワーの温度だけが安定しない場合は、給湯器の問題ではなく、浴室の水栓に問題がある可能性が高いです。
逆にお風呂・キッチン・洗面所など、全部安定しない場合は、給湯器の問題である可能性が高くなります。
【2】水栓が全開になっているかどうかの確認
水栓が半開きの状態だと、お湯の温度が安定しないことがあります。
水栓が全開になっているかどうか、確認しましょう。
【3】循環フィルターが目詰まりを起こしていないかの確認
浴槽内のキャップ(循環フィルター)にホコリやゴミが詰まっていると、お湯張りの際にエラーを起こして、お湯の温度も安定しないことがあります。
目詰まりを起こしている場合は、使い古した歯ブラシなどを使って、掃除を行いましょう。
【4】ガスメーターが遮断していないかどうかの確認
ガスメーターは、ガスの使用量を調整して、安全性を確保する役割を持ちます。
よって冬場にお湯の温度を上げて使うと、「異常がある」と誤認して、ガスメーターが遮断してしまうことがあります。
一時的なエラーであれば、ガスメーターにある復帰ボタンを押すことで再び作動することもありますが、復帰ボタンを押しても動かない場合には、ガス供給会社への連絡が必要です。
【5】給湯器の使用年数を調べておく
既存の給湯器が、設置(製造)から何年使っている物なのか、あらかじめ調べておくと、「交換が必要かどうか?」の判断がスムーズになります。
できれば給湯器の型番も控えておくと、見積もりが早くできます。
給湯器の型番は、給湯器本体の正面や側面に貼られている銘板シールに、記載されていることが多いです。
【6】リモコンに表示されたエラー番号を控えておく
リモコンに何らかのエラー番号が表示されている場合は、その番号を控えておきましょう。
エラー番号はエラーの内容を表している(例えば『リンナイ』の給湯器の「111」は「点火不良」を表す)ため、番号が分かることによって、修理・交換の判断がしやすくなります。
【7】1度給湯器の電源を切って、もう1度入れてみる
もしリモコンにエラー番号が表示されていたら、1度、給湯器の電源を切って(コンセントを抜いて)、30秒程度時間を置いてから、もう1度電源を入れてみましょう。
不意に出る一時的なエラーの場合は、これだけで解消できることもあります。
ただし、試すのは「1回だけ」です。
何度も電源のオン・オフを繰り返すと、基板に問題が発生するおそれがあります。
1回だけ試してみて、エラーが解消できなかった場合は、やはり給湯器に何らかの問題が発生しているということです。
給湯器の温度が安定しない場合に業者が行う修理
メーカー修理の場合、技術費・部品代・出張費を含めて、8,000円~60,000円程度の費用がかかると推測できます。
燃焼系の部品(熱交換器など)の交換を行う場合、30,000円~60,000円ほどの費用がかかります。
また電装基板の交換を行う場合は、40,000円~50,000円ほどの費用がかかります。
同時に複数箇所が故障している場合は、上記目安よりも高額になるため、修理ではなく交換のほうがオススメです。
給湯器を10年以上使用している場合も、修理で対応できるケースがありますが、修理してもすぐに不具合起こして再修理になる可能性もあります。
修理をくり返せば、当然費用もかさみますので、交換も検討された方がよいでしょう。
「クサネン」が温度が安定しない状況に対応した事例
以下では当社「クサネン」が、お湯の温度が安定しない状況に対応した事例をご紹介します。
【修理】シャワーのお湯がぬるい!温調カートリッジを修理して解決
- 費用:1万円~
- 工期:30分
滋賀県栗東市にお住まいのお客様より、「シャワーのお湯がぬるいため、給湯器を交換する必要があるかどうか1度見てほしい」と、ご相談がありました。
持参した水温計で、お湯が出る場所すべての水温を確かめたところ、やはりシャワーのお湯だけがぬるいことが判明しました。
給湯器が原因ではなく、シャワーの水栓に問題があるということです。
水栓の温調カートリッジだけを交換するか、水栓本体を新しくするか、両方の見積書を提出させていただき、お客様は温調カートリッジだけの交換を選ばれました。
温調カートリッジを交換した結果、設定温度どおりの温かいお湯が出るようになりました。
<詳しくはコチラ>
⇒ 浴室シャワー水栓の湯温が低かったので、温調カートリッジ交換で改善
【交換】お湯の温度が安定しない!給湯器を交換して解決
- 費用:18.3万円
- 工期:3時間
滋賀県草津市にお住まいのお客様より、「前日の夜から湯温が不安定になり、年数的にも給湯器の交換を検討したい」と、ご相談がありました。
直ちに現地調査に伺い、既存の給湯器を確認したところ、湯温の不安定さはやはり本体の故障によるものでした。
交換にあたって、16号のフルオート(お湯張り・自動保温・追い焚き・自動足し湯)から、20号のオート(お湯張り・自動保温・追い焚き・手動足し湯)に変更しています。
給湯器を交換した結果、もちろんお湯の温度は安定するようになりました。
<詳しくはコチラ>
⇒ お湯の温度が安定しない給湯器を交換。(GT-1628AWX⇒FH-E2022SAWL)
まとめ
- 給湯器の温度が安定しないことと、「給湯器の寿命」は関係ある
- 給湯器の温度が安定しないことと、「給湯器の号数」は関係ない
- 業者に依頼する前に、水栓の確認やガスメーターの確認など、自分でできることをやってみよう
- 給湯器を修理する場合は、8,000円~60,000円程度の費用がかかる
以上、給湯器の温度が安定しないことでお困りの方に向けた、情報をお届けしました。
記事中でも述べたように、問題が起きている給湯器をそのまま使い続けることは、おすすめしません。
なるべく早く業者に連絡をして、修理か交換を行うようにしましょう。
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