追い焚きがぬるい・すぐ止まる・下のほうだけ冷たい!考えられる原因と対処法を解説

「追い焚き」とは、浴槽のお湯が冷めてきたときに、もう1度沸かし直す機能のことです。
追い焚きは、設定温度に達したら自動的に止まりますが(40℃に設定⇒40℃で止まる)、時には「どう考えても設定温度に達しておらず、ぬるい」という状況になることがあります。
また、「設定温度に関係なく追い焚きがすぐに止まる」、あるいは「追い焚きしても下のほうだけぬるい」などと、お困りの方も多いようです。
そこで今回は、追い焚きに関する「困った!」の原因・対処法を、ケースごとに解説していきます。
「追い焚きがぬるい」場合に考えられる3つの原因
- 循環アダプターのフィルターが詰まっている
- にごり系・乳白色の入浴剤を使用した
- 給湯器が故障している
上記は、追い焚きがぬるい場合に考えられる、3つの原因です。
それぞれの原因の詳細と、その対処法について、以下で解説します。
【1】循環アダプターのフィルターが詰まっている

浴槽の中には、循環アダプターという、丸型の部品があります。
この循環アダプターのフィルターが詰まっていると、追い焚きがぬるくなる(温度異常)ことがあります。
それだけではなく、湯船が不衛生になる可能性や、お風呂のポンプへの負荷が高くなった結果、給湯器の寿命を縮めてしまう可能性があるため、フィルターの詰まりは早めに解消することをオススメします。
循環アダプターのフィルターの掃除の仕方
- 循環アダプターのフィルターを左に回して、外す
- フィルターを歯ブラシなどで掃除する
- フィルターの受け側の溝や穴も、歯ブラシなどで掃除する
- 線と線(あるいは印と印)を合わせて、フィルターをはめる
- フィルターを右に回して、固定する(カチッと音がするまで)
フィルターを正しくセットしたら、追い焚きがきちんと機能するか、テストしてみてください。
【2】にごり系・乳白色の入浴剤を使用した

にごり系や乳白色の入浴剤を使用してから、追い焚きがぬるい場合には、給湯器の内部に、入浴剤の成分が付着している可能性があります。
温度測定を司るパーツに膜が張ると、正しく温度が測れずに、湯船が温まらなくなってしまいます。
給湯器の「クリーニング機能」や洗浄剤を使用して、配管を綺麗にすれば改善するかもしれませんが、それでも追い焚きがうまくいかない場合は、業者・メーカーに相談してみてください。
追い焚き用配管の掃除の仕方については、後述します。
【3】給湯器が故障している

給湯器がまだ新しい場合には、パーツごとの単発故障が考えられます。
業者に依頼して該当パーツを交換すれば、また追い焚きできるようになる可能性が高いです。
逆に、給湯器が古い(10年以上使用している)場合には、経年劣化による故障の可能性が高くなります。
10年以上使用している給湯器は、修理用部品の供給が終わっていることが多く、運よく修理できたとしても、また別の箇所がすぐに壊れるリスクがあるため、基本的に交換をオススメします。
「追い焚きしてもすぐ止まる」場合に考えられる6つの原因

- 循環アダプターのフィルターが詰まっている
- 追い焚き用の配管が詰まっている
- 残り湯の量が少なすぎる
- 「熱交換器」が故障している
- 「制御基板」が故障している
- 給湯器が寿命を迎えている
上記は、追い焚きしてもすぐ止まる場合に考えられる、6つの原因です。
それぞれの原因の詳細と、その対処法について、以下で解説します。
【1】循環アダプターのフィルターが詰まっている
先述した循環アダプターのフィルターの詰まりは、追い焚きがすぐ止まることにも影響します。
先述した掃除方法を参考に、フィルターに絡んだ小さなゴミ・髪の毛・皮脂などを綺麗に取って、追い焚きが正常に働くかどうか確認しましょう。
【2】追い焚き用の配管が詰まっている
追い焚き用の配管が詰まっていると、お湯が循環不良を起こしてしまい、追い焚きがすぐに止まってしまうことがあります。
配管の詰まりの原因は、汚れやバイオフィルム(微生物が集合して形成する膜状の構造体)が蓄積することです。
追い焚き用配管を掃除することで、追い焚きの機能が復活することがありますので、以下の方法を試してみましょう。
追い焚き用配管の掃除の仕方
追い焚き用配管の詰まりが軽微な場合は、市販の配管クリーナーを使って洗浄することが、効果的です。
使用するクリーナーの説明書きをよく読んで、その通りに作業してください。
市販のクリーナーを使用しても汚れが取り切れない(追い焚きができない)場合は、配管の中で強固なバイオフィルムが発生している可能性があるため、業者による専門的な洗浄作業を検討するほうがよいでしょう。
なお、自分で中途半端に汚れを落としてしまうことで、追い焚きがすぐ止まるだけではなく、雑菌や汚れが少しずつ剥がれて浴槽に排出されるようになるなど、状況が悪化するケースがあります。
長期間、追い焚き用配管を掃除していない場合や、作業に自信がない場合は、はじめから業者に依頼することをオススメします。
【3】残り湯の量が少なすぎる
浴槽の残り湯の量が少ない場合、追い焚きがすぐに止まることがあります。
残り湯の量が足りていないと、お湯を吸い込むポンプがうまく作動しなかったり、空焚きを防止する安全機能が働いてしまうためです。
上記の場合、十分な量(取扱説明書に載っている場合があります)に達するまでお湯を足せば、通常通り追い焚きが使えるようになります。
【4】「熱交換器」が故障している

追い焚き用の「熱交換器」が故障・不具合を起こすと、追い焚きがすぐに止まってしまうことがあります。
一時的な誤作動であれば、電源のオン・オフで状況が改善することもありますが、改善しない場合は、部品交換などメーカー修理の対応が必要となりますので、業者を手配してください。
【5】「制御基板」が故障している
給湯器の「制御基板」に故障・不具合が発生すると、追い焚きがすぐに止まってしまうことがあります。
先述の「熱交換器」の故障の場合と、同じ対応が必要になります(電源をオン・オフして改善しなければ、業者に連絡する)。
【6】給湯器が寿命を迎えている
先述したように、給湯器が古い(10年以上使用している)場合には、経年劣化による故障の可能性が高くなります。
繰り返しになりますが、10年以上使用している給湯器は、修理用部品の供給が終わっていることが多く、運よく修理できたとしても、また別の箇所がすぐに壊れるリスクがあるため、基本的に交換をオススメします。
「追い焚きしても下のほうだけ冷たい」場合に考えられる原因

前提として知っておきたいのが、追い焚きの仕組みのことです。
追い焚きとは、浴槽のぬるくなったお湯を吸い上げて、給湯器内部の熱交換器で温め直して、浴槽に戻す機能のことです。
昔は浴槽に穴が2つある「自然対流式」が主流でしたが、最近は穴が1つの「強制対流式」が多くなっています。
昔の「自然対流式」は、冷たい水が下に・熱いお湯が上に溜まるという、自然の流れを利用して、浴槽内のお湯を循環させる仕組みです。
つまり「自然対流式」の追い焚きの場合は、下のほうが冷たいことは異常ではないということです。
お湯を全体的にかき混ぜて、湯温を均等にする必要があります。
いっぽう最近の「強制対流式」は、お湯を循環させる際にポンプを使うため、均一にお湯が混ざるようになっています。
「強制対流式」の追い焚きでは、基本的に「下のほうだけ冷たい」という問題は生じにくいですが、気になるのであれば業者に点検を依頼しましょう。
循環ポンプや熱交換器などに、異常が見つかる可能性があります。
追い焚きに不具合がある給湯器を交換した事例
以下では当社『クサネン』が、追い焚きに不具合がある給湯器を交換した事例を、紹介します。
滋賀県草津市で自動湯はり・追い焚きに不具合がある給湯器を交換

滋賀県草津市の分譲マンションで、20年以上お使いの給湯器を交換しました。
既存の給湯器はお湯は使えるものの、自動湯はり・追い焚きができないということで、お困りでした。
新しい給湯器は工事前のものと同じく、「温水床暖房3ヵ所対応」の給湯器です。
経年劣化により黄ばんでいたリモコンは、スタイリッシュで操作しやすいリモコンに変わり、お客様にとても喜んでいただけました。
<詳しくはコチラ>
⇒ 自動湯はり・追い焚きの不具合。経年20年の給湯器を交換しました
まとめ
以上、
- 追い焚きがぬるい
- 追い焚きがすぐ止まる
- 追い焚きしても下のほうだけ冷たい
といった現象の原因・対処法について、解説しました。
自分でできることを試してみて、それでも追い焚きがうまくいかない場合は、給湯器が完全に壊れてしまう前に、業者に給湯器の修理・交換を依頼することをオススメします。
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